
夜中に突然、ふくらはぎに激痛が走るこむら返り。あまりの痛さに目が覚めて、しばらく動けなくなった経験がある方も多いのではないでしょうか。
そんな辛いこむら返りの痛みを即座に和らげ、再発を防ぐために効果的なのがツボ押しです。正しいツボの位置と押し方を覚えておけば、慌てることなく痛みに対処できるようになります。
この記事では、こむら返りに即効で効く特効ツボから、部位別のツボ、そして根本的な原因と予防法まで、分かりやすく解説します。
こむら返りに即効で効く2大特効ツボ
こむら返りが起きた瞬間に最も効果が期待できる2つの特効ツボをご紹介します。痛みで慌てている時でも見つけやすく、すぐに痛みを和らげる効果があります。
ふくらはぎの激痛に最も効く「承山(しょうざん)」
承山(しょうざん)は、こむら返りに最も効果的とされるツボです。アキレス腱を指で上に撫でていくと、ふくらはぎの筋肉の山に指が突き当たって止まる位置にあります。

ツボの場所
- ふくらはぎの真後ろ中央
- アキレス腱からふくらはぎに向かって指を滑らせた時に止まる場所
- ふくらはぎの筋肉が盛り上がった部分の境目
押し方のポイント
- 親指で5秒間、ゆっくりと圧を加えます
- 痛気持ちいい程度の強さで押してください
- 深呼吸をしながら、3~5回繰り返します
- 急激に強く押すのは避け、徐々に圧を加えましょう
承山は膀胱経というツボの仲間で、腎機能の低下や腰痛、膝の痛みにもよく使われ、こむら返りでお悩みの方にもお勧めのツボです。
すね側からもアプローチできる「陽陵泉(ようりょうせん)」
陽陵泉(ようりょうせん)は、ふくらはぎの痛みにすね側からアプローチできるツボです。承山と合わせて押すとより効果的です。

ツボの場所
- 膝の外側にある骨の出っ張り(腓骨頭)の前下方のくぼみ
- 足三里から指3本分外側の少し上の位置
押し方のポイント
- 人差し指と中指を使って押します
- 膝を軽く曲げた状態で行うと押しやすくなります
- 左右同時に5秒間ずつ、3~5回繰り返します
- 円を描くようにマッサージしても効果的です
【部位別・図解】足がつる場所で効くツボ
足がつる場所によって、最も効果的なツボが異なります。症状が起きている部位に応じて、適切なツボを選んで押してみてください。
ふくらはぎがつる時のツボ
ふくらはぎのこむら返りには、以下のツボが特に効果的です。
承筋(しょうきん)

- 承山の少し上、ふくらはぎの筋肉が最も盛り上がった部分
- 両手の親指を重ねて、しっかりと圧を加えます
- ふくらはぎ全体の筋肉の緊張をほぐす効果があります
三陰交(さんいんこう)

- 内くるぶしから指4本分上、すねの骨の内側のくぼみ
- 血行促進効果が高く、冷えによるこむら返りに特に効果的
- 親指でゆっくりと5秒間押し、5回繰り返します
すね・向こう脛がつる時のツボ
すねや向こう脛がつる場合は、以下のツボを試してみてください。
足三里(あしさんり)

- 膝の皿の下外側のくぼみから指3本分下
- すねの骨と筋肉の境目にあります
- 足全体の疲労回復と血行促進に効果があります
- 親指で円を描くようにマッサージしながら押します
上巨虚(じょうこきょ)

- 足三里から指3本分下の位置
- すね前面の筋肉の緊張を和らげます
- 中指で垂直に5秒間押し、ゆっくりと離します
足の甲・足の指がつる時のツボ
足の甲や指がつる場合は、以下のツボが効果的です。
太衝(たいしょう)

- 足の甲で、親指と人差し指の骨が合流する手前のくぼみ
- 足の指のつりや足の甲の痛みに効果があります
- 人差し指で優しくゆっくりと押します
行間(こうかん)

- 足の親指と人差し指の間、水かきの部分
- 足指のつりや足の甲の緊張に効果的
- 親指と人差し指で挟むように押します
太白(たいはく)

- 足の内側、親指の付け根の骨の下のくぼみ
- 足全体の血行を改善し、つりにくい状態を作ります
- 親指で円を描くようにマッサージします
なぜ足はつる?こむら返りの原因
こむら返りを根本的に解決するためには、なぜ足がつるのかという原因を理解することが重要です。主な原因を知って、効果的な予防策を立てましょう。
水分・ミネラル不足(マグネシウム・カリウム)
水分不足
睡眠中にはコップ一杯の汗をかくため、これが睡眠時及び朝方につる原因の一つになります。1日2リットルを目安に、喉が渇いたと感じる前に時間を決めて摂取することがポイントです。
ミネラル不足
カリウムとカルシウムは筋肉の収縮や神経の伝達をスムーズにする働きがあり、この2つのミネラルを調整しているのがマグネシウムです。多くの場合、マグネシウムの不足が1番の原因とされています。
摂取すべき栄養素と食品
- マグネシウム:ほうれん草、ブロッコリー、ナッツ、大豆製品、未精製の穀物、あおさ、かぼちゃの種、しらす干し、するめ、切干大根
- カルシウム:レタス、チンゲンサイ、牛乳、ヨーグルト、チーズ、サバ、いわし
- カリウム:煮干し、ほうれん草、人参、納豆、バナナ
マグネシウムとカルシウムのバランスが「マグネシウム1:カルシウム2~3」の割合になるように摂取するのが理想的です。
筋肉の疲労と運動不足
筋肉疲労によるもの
過度な運動などで筋肉が疲労している場合、筋肉が急に収縮するため起こりやすくなります。特に普段使わない筋肉を急に使った時や、長時間の運動後に起こりやすくなります。
運動不足によるもの
運動不足での筋力低下や、普段とは違う筋肉を動かすなどして筋肉に強い刺激を加えることでも起きやすくなります。筋肉量の減少により、ちょっとした動作でも筋肉に負担がかかってしまいます。
体の冷えによる血行不良
冷えが引き起こすメカニズム
水分が不足すると血行不良となり、その影響で筋肉が収縮して起こることがあります。体が冷えると血管が収縮し、筋肉への酸素や栄養素の供給が不十分になります。
年齢との関係
50歳以上でほぼ全員が一度は夜間のこむら返りを経験しており、60歳以上の6%が毎晩こむら返りに襲われているという報告があります。加齢により筋肉の調整機能が低下することも原因の一つです。
まとめ
こむら返りの痛みは、正しいツボ押しで素早く和らげることができます。特に承山(しょうざん)と陽陵泉(ようりょうせん)の2つの特効ツボは、痛みが起きた瞬間に試してみてください。
また、こむら返りは以下の3つの主要な原因によって起こります。
- 水分・ミネラル不足:特にマグネシウム不足が大きな要因
- 筋肉の疲労と運動不足:適度な運動と休息のバランスが重要
- 体の冷えによる血行不良:温めることで予防効果が期待できる
日頃からバランスの良い食事と適度な運動、そして体を冷やさない生活習慣を心がけることで、こむら返りの頻度を大幅に減らすことができます。ツボ押しと予防策を組み合わせて、快適な毎日を過ごしましょう。
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